「鼻血が出た時」こんな間違いをしてませんか?
2021年6月14日 カテゴリー:医学情報
北名古屋市にある みやもと耳鼻咽喉科の宮本です。
最近、暑くなってきましたね。
鼻血で受診されるお子さんが多くなってきました。
ご自身あるいはお子さんが鼻血の時、まずどのように行動されるでしょうか。
1上を向く
2寝て安静にする
3首を後ろにそらしてトントンする
4鼻の付け根を押さえる
5ティッシュを詰める
これらの行動は、残念ながら全て間違いです。
1〜3は、出てきた鼻血が喉に流れ込んでしまいます。吐き出せればまだ良いですが、万が一大量に飲み込んでしまうと、胃に溜まった血液によって気分が悪くなり、後で嘔吐する場合があります。
4は、鼻の付け根には鼻骨があり、いくら圧迫しても骨を押さえているだけで、出血部位には何も作用していません。
5は、ティッシュで血液を吸うことはできるかもしれませんが、反対にティッシュによって鼻粘膜に傷がついてしまい逆効果となることがあります。
では「鼻血が出た時」どうすれば良いでしょうか?
鼻血の約80%ほどは、鼻中隔の前下方の粘膜部から出ています。キーゼルバッハ部位と名前がついています。指で触れるくらいの範囲であり、子供の小さい指であればなおさら直接届いてしまいます。
つまり、下記のように鼻中隔の前下方を圧迫してください。
A.人差し指と親指で両方の鼻翼を押さえる方法
B.鼻血と同じ側の親指で鼻翼を内側の鼻中隔に圧迫し、手のひらを開いて、他の4本の指を出血と反対側のあごに当て挟む方法(母指圧迫止血法)
特にお子さんの場合は、Bの母指圧迫止血法をお勧めします。出血していない方の鼻が開いているので、圧迫している時も息苦しくないです。また、興奮して泣いていると血圧も高くなり、血が止まりにくくなりますので、落ち着かせて鼻を圧迫するようにしてください。
出血部位にもよりますが、コツは鼻翼を真横あるいはより顔側(本人の手前側)に圧迫してください。上手く出血点を押さえられれば、血の流出は止まり5〜10分程で止血できます。
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